【阿蘇山と草千里ヶ浜】 火の国熊本のシンボル! 2015年に噴火し、ロープウェイ廃止。過去にも大きな被害を出した活火山

2012年ゴールデンウィークの旅行で、ずっと前の旅行記なのですが、熊本県の阿蘇山、阿蘇山ロープウェイ、草千里ヶ浜を紹介したいと思います。

旅行記

 


火の国熊本県。

阿蘇山は熊本市の東にあり、広大な自然は「阿蘇くじゅう国立公園」と呼ばれています。

阿蘇カルデラの生い立ちは、三十万年前から数万年前に及ぶ大昔で(といっても地球の歴史は46億年なので、つい最近ともいえる)、世界でも有数の大型カルデラと雄大な外輪山を持っています。

 

カルデラ内部に出来た中央火口丘群のうち、その中核を成してほぼ東西に一列に並ぶ根子岳、高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳の五峰を阿蘇五岳(あそごがく)と呼び、「阿蘇山」という単独峰はありません。(これは高野山比叡山も同じ)

今日紹介するのは、観光で有名な「中岳」です。

 

 

私達は阿蘇駅からバスで、阿蘇山ロープウェイ乗り場に向かいました。

 

グーグルマップより借りた、ロープウェイ乗り場の写真。

 

大人(中学生以上)往復1,000円、子供(小学生以下)500円。

2010年にゴンドラが一新され、写真のような真っ白いデザインになりました。

私達が訪れる2年前にリニューアルされたため、ロープウェイの中はとてもキレイで、阿蘇山の歴史に関する放送が流れていました。

 

ロープウェイを降りたところ。

ものすごいガスで、喉と鼻の奥にツーンとした痛みを感じました。

警備の方が立っておられ、「有毒ガスが噴き出ているので、小さな子供さんはできるだけ早く、山から降ろしてあげてください」と言われました。

 

ということで、滞在時間が短かったため、写真は二枚しか撮りませんでした。

これはそのうちの一枚で、阿蘇山中岳第1火口の火口湖、通称「湯だまり」です。

天気があまりよくなかったため、色が暗い・・・。

 

ロープウェイ乗り場にあった、阿蘇山中岳第1火口湯だまりの写真。

こちらは晴天時に撮られた写真なのか、湯だまりが美しいエメラルドグリーン色であるのがわかります。

活動が穏やかな時の湯だまりは、40度くらいなのだそうです。思ったよりも温度が低いことに驚き。

 

 

こちら、グーグルマップから借りた、同じく湯だまりの写真。

雨水や伏流水の他、マグマからの水蒸気もたくさん溶け込んでいるのだそうです。

 

 

同じく、グーグルマップから借りた阿蘇山見学路の様子。

写真左に映っている石でできた小さな建物は、阿蘇山が噴火した際に逃げ込む建物「退避壕」で、一つにつき30人収容できるそうです。

 

阿蘇山は度々噴火する元気な山で、過去に何人か犠牲になっています。(特に昭和33年6月24日の中岳噴火は、駅舎・ゴンドラが大きな被害を受け、ロープウェー関係の作業員12人が死亡、28人が負傷しました)

→→阿蘇山 ウィキペディア

 

私達が訪れたのは2012年のゴールデンウィークで、阿蘇山中岳第1火口のすぐそばまで行けたのですが、2015年9月に阿蘇山が噴火!

 

ロープウェイは、何回か続いた噴火による噴石でボコボコに破壊されてしまいました。(写真は毎日新聞のもの)

 

 

阿蘇山が噴火した翌年2016年春、熊本県を大地震が襲いました。

阿蘇山の西にある米塚(よねづか)は、私達が訪れた2012年は美しい姿をしていましたが、

2016年4月14日・16日の熊本地震(二度の震度7)による被害でヒビ割れてしまい、熊本城も大変な被害を受けました。

 

 

阿蘇山は2015年の噴火以降、少しずつ落ち着きを取り戻し、ロープウェイの再建は断念されてしまいましたが、「阿蘇山火口シャトル」という火口見学バスの運行で、再び火口見学が再開されたようです。

61年も火口付近へ運んでくれた阿蘇山ロープウェイの廃止は寂しいですが、バスの運行は嬉しいですね。

→→阿蘇山火口シャトルはこちら

 

私達は、箱根の大涌谷、北海道の大雪山旭岳と、噴煙吹き上げる活火山を後に訪れることになりましたが、阿蘇山の火山ガスの刺激臭はこの二つを上回るもので、「火の国阿蘇 すごいなぁ~!」と、地球のダイナミズムに驚き、感動したのでした。

阿蘇山は昭和以降の人的被害だけでも、死者21人、重軽傷者142名を出している活火山なので、皆様も見学に行く前に、阿蘇山の噴火情報などを確認してから訪れてください。(火山活動によりバス運休、火口立ち入り禁止のことが有ります)

 

 

追加・・・2021年10月20日に、阿蘇山が噴火しました。

よく調べてから、お出かけしてください。

阿蘇山は活火山です。

 

 

阿蘇山の火口見学の後は、西にある草千里ヶ浜へ。

草千里ヶ浜は、阿蘇火山博物館の向かい側にあり、バス停やお食事処があります。

 

草千里ヶ浜。

直径1kmの広くて浅い皿の形をしたところで、二万七千年前に阿蘇の中央火口丘群の中で最大規模噴火を起こした場所・・・つまり、「火口跡」なのです。

夫と息子の後ろにある池は雨が降らない日が続くと無くなってしまいますが、西側にもう一つ大きな池があって、そちらは湿地帯の植物が繁栄しているそうです。どちらの池も火口跡というから、時間と共に景色がどんどん変わっていくんだなぁと感心。

ちなみに池の右隣にある小高い丘は「駒立山」と言い、草千里ヶ浜の二度目の噴火で吹き飛ばされた溶岩ドームの残骸なのだそうです。

 

私達が訪れた時は、お天気があまり良くなかったため、霧がモヤモヤと立ち込めていました。

風が吹いて一帯を霧に包まれると、まわりが真っ白になってしまって、ドラゴンボールの「精神と時の部屋」(知ってる? 真っ白な空間)に入ってしまったかのような、不思議な体験ができました。

草千里ヶ浜では乗馬(引馬)を楽しむことができ、草原のあちこちに馬糞が落ちていたので、足元にご注意を。

 

 

天気が良い時は、このように見晴らしがよく、烏帽子岳が良く見えるそうです。

・・・といっても、霧に包まれる体験はとても楽しかったので、天気はあまり気にせず、その時の風景を楽しむのが良いですね。

 

 

最後に、バスから撮った風景の写真を載せておきます。

夏目漱石は「行けどハギ、行けどススキの原ひろし」と、阿蘇草原の広さを歌に詠みました。

阿蘇草原の起源は平安時代にまでさかのぼるようで、人の手によって火入れや放牧などが繰り返し行われたことによるものなのだそうです。

現在は、阿蘇草原再生協議会が保全活動をしており、募金を受け付けています。

→→阿蘇草原の募金はこちら

 

 

 

次は、熊本城を紹介します。

次の記事はこちら

今日、紹介するのは熊本県のシンボル「熊本城」です。 私達が訪れたのは、2012年のゴールデンウィークでした。 旅行記   熊本城は熊本駅から車で10分ほどのところにあります。 私達は公共交通機関で[…]

 

(この旅行記は2012年です)

 

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