前回からの続きで、長野県の旅行紹介です。
今日は、国宝の土偶2体が見れる「尖石(とがりいし)縄文考古館」を紹介します。
旅行記
今日紹介する「尖石(とがりいし)縄文考古館」は、長野県茅野(ちの)市にあります。
前回紹介した「たてしな自由農園 茅野店」から車で10分ほどの距離です。
「尖石縄文考古館」へ車で行く場合、中央自動車道諏訪インターチェンジから約25分。無料駐車場があります。
公共交通機関で行く場合、JR中央線茅野駅から市内路線に乗り、尖石縄文考古館前で下車。大人片道590円です。
縄文考古館の料金は、大人500円、高校生300円、小中学生200円。
開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。
休館日は、毎週月曜日(休日の場合を除く)、祝日の翌日(この日が休日、土曜日・日曜日の場合を除く)。
周辺マップ。八ヶ岳西側山麓地帯の大扇状地上にある、標高1050~70mの長い台地の上にあります。
「尖石(とがりいし)」とは面白い名称ですが、遺跡の南側にあった三角錐状の巨石の通称に由来するのだそうです。
ウィキペディアから借りた「尖石」の写真。
遺跡周辺は史跡公園となっており、「尖石石器時代遺跡」の名称で1942年10月14日に、国の史跡に指定されました。「縄文集落研究の原点」とされる重要な遺跡なのだそうです。
ところで皆さんは、上の二体の土偶をご存知でしょうか?
右は「縄文のビーナス」、左は「仮面の女神」と言い、国宝の土偶です。
国宝の土偶は、全部で5つです。(上の写真は、尖石縄文考古館の中にあったガチャガチャのフィギュア)
国宝の土偶は以下の5つで、今日紹介する尖石縄文考古館には赤文字の二体の土偶が展示されています。
①「中空土偶」 縄文時代(後期)・前2000~前1000年
北海道函館市著保内野遺跡出土、函館市蔵
②「縄文のビーナス」 縄文時代(中期)・前3000~前2000年
長野県茅野市棚畑遺跡出土、茅野市蔵 尖石縄文考古館保管
③「合掌土偶」縄文時代(後期)・前2000~前1000年
青森県八戸市風張1遺跡出土、八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館蔵
④「縄文の女神」 縄文時代(中期)・前3000~前2000年
山形県舟形町西ノ前遺跡出土、山形県蔵 山形県立博物館保管
⑤「仮面の女神」 縄文時代(後期)・前2000~前1000年
長野県茅野市中ッ原遺跡出土、茅野市蔵 尖石縄文考古館保管
ガチャガチャは一つ300円。試しにやってみたら、青森県八戸市の国宝「合掌土偶」が出てきました!
青森ついでにもう一つ小話をしますが、上のガチャガチャフィギュア7番の「遮光器土偶(しゃこうきどぐう)」は青森県亀ヶ岡遺跡から出土した超・有名土偶ですが、こちらは国宝ではありません。(ちなみに青森には遮光器土偶の駅舎があります。記事は→【こちら】)
前置きが長くなりましたが、「5つある国宝土偶のうち、二つが、ここで見られるんですよ」ということで、入場しましょう!
入場口すぐに、レプリカの縄文のビーナスと仮面の女神がお出迎え。新型コロナウィルス対策を示すためか、土偶にもマスク。
館内は一部撮影禁止のところがありますが、9割くらいは撮影OKです。
国宝の土偶も、もちろん撮影OK!
こちらが、国宝の「仮面の女神」。縄文時代(後期)・紀元前2000~前1000年のもの。
後ろ姿も独特的。
出土状況を再現したレプリカがありました。
こちらは発掘当時の、本物の土偶の写真。
こんなのがいきなり出てくるのですから、ギョッとしますね。お宝を掘り当てたような高揚感と共に、不思議なデザインにためらうというか・・・。
中は空洞になっているようです。
不思議な形の「仮面の女神」ですが、よく似た土偶が長野県辰野町と山梨県韮崎市からも出たようです。
辰野町は茅野市の西側で、韮崎市は茅野市のずっと南側。
ひょっとしたら、縄文人の交流があったのかもしれませんね。
もう一つの国宝「縄文のビーナス」。縄文時代(中期)・紀元前3000~前2000年のもので、先ほど紹介した「仮面の女神」よりも1000年ほど前につくられたものと推測されているようです。
後ろ姿。おしりが大きくて、安産型と言ったスタイル。
出土時の写真。横たわる姿がグラマラスですねー。
仮面の女神は中が空洞でしたが、縄文のビーナスは中が結構詰まった感じがしますね。
旧石器時代の女性像(ヴィーナス像)は、オーストリアやフランスからも出ているようです。むっちりとした体つきが特徴的。
もう一度、国宝土偶(フィギュア)の写真を載せますが、あなたはどの土偶が好みでしょうか??
私は寝室に飾るなら縄文のビーナスで、玄関の魔除けに仮面の女神、和室に合掌土偶、リビングに中空土偶と縄文の女神を飾りますね~。ガチャガチャは一つ300円で手のひらサイズですので、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
国宝の土偶だけではなく、展示物もいろいろそろっていて勉強になります。
白樺湖付近で発掘された矢じり、黒曜石(こくようせき)。
二点とも長野県宝。環状把手(とって)のある深鉢形土偶。なんと、約5000年前のもの。
この時、私のご先祖さんはどこにいたんだろう??
どこかでこんな土器を作ったり、使ったりしていたのかな???
こちらも長野県宝で5000年前の土器。四角と三角が合わさった、オシャレな模様ですね。
こちらはすぐ近くの与助尾根(よすけおね)遺跡から出てきた、4500年前のもの。
一番左のものは、蛇体把手付土器。
土器には生き物を思わせるような抽象的な模様があるようです。
上の模様は蛇でしょうか???
他に、幼児が隠れそうなくらいの大型土器や、
双口土器、
いろんな模様やサイズの土器がたくさん展示されていました。
デザインがそれぞれ違うので、見飽きないです。
へたくそな土器展示もあり、解説が楽しかったです。
諏訪湖まわりにたくさんの縄文遺跡群。
緑丸は旧石器時代遺跡、赤丸は縄文時代遺跡、青丸は弥生時代遺跡。
赤丸(縄文時代遺跡)が一番多いような気がしますね。
土製耳飾もたくさんありました。小さなものは1cm未満、大きなものは10cmにもなり、ピアスのようにして使っていたようです。
館内に展示されていた新聞。縄文のビーナスに次いで国宝指定されたのが仮面の女神。仮面の女神は中ツ原遺跡の墓穴で発見されたようです。
最後は、尖石縄文考古館の隣にある与助尾根(よすけおね)遺跡へ。
ここは入場料などなく、いつでも無料で入れます。
竪穴式住居の中は、思ったよりも広くて明るいです。
骨組みの展示もあり、楽しかったです。
縄文時代好きな方は青森県にある最大級の縄文遺跡である「三内丸山遺跡」の記事もどうぞ。
楽しいお出かけになりますように♪
(この旅行記は2022年のものです)
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交通アクセス
中央自動車道諏訪インターチェンジから約25分。車で行く場合、無料駐車場があります。
公共交通機関で行く場合、JR中央線茅野駅から市内路線に乗り、尖石縄文考古館前で下車。大人片道590円。
料金
大人500円、高校生300円、小中学生200円
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日は、毎週月曜日(休日の場合を除く)、祝日の翌日(この日が休日、土曜日・日曜日の場合を除く)
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