前回、地震ミミズを防ぐ新海誠監督の最新作「すずめの戸締り」を紹介したので、次は、「首都直下型地震が起きたら72時間をどうやって生き抜くか」を体験できる、「防災体験学習施設 そなエリア東京」を紹介します。
ここには、映画「シン・ゴジラ」の撮影に使われた部屋があります。
見学記
「そなエリア東京」の最寄り駅は、有明駅(徒歩2分)か、国際展示場駅(徒歩4分)です。車で行く場合、周辺の有料駐車場を利用。
入館料は無料。9名以下の個人で行く場合、事前予約は必要ありません。
開館時間は9:30~17:00(入場は16:30まで)。月曜日が休館日です。
この施設の目玉は、「東京直下72h TOUR」。地震災害後の支援が少ない72時間を生き抜く知恵を学ぶ防災体験学習ツアーです。
防災体験学習ツアーの案内は1時間に1回程度で、定員は一回40名。
訪れたのは平日の午前、10時45分スタートの回で、参加者は私と夫の二人だけでした。
「現地まで行く時間がないわ・・・」という方には、映像体験がオススメ。
では、ツアーへ。所要時間は30分くらいです。
12月の寒い冬の夕方、駅ビル10階の映画フロアにいるという設定。
「さあ、映画を見終わったから帰りましょう!」とエレベーターに乗り込んだら、グラグラッと地震が起きて、エレベーターが停止。
エレベーターのドアを開け、薄暗いビルの通路を抜ける。地震で段ボールが崩れたのでしょうか・・・。
通路を抜けた先には、地震でボロボロになった街が!!!
崩れたビル、傾いた電柱、今にも落ちそうな室外機・・・。
「うわぁ、こわいね・・・」とビビっていたら、
ディロンディロン! ディロンディロン!
と、不愉快な緊急地震速報の音が館内に鳴り響き、モニターに「東京で震度7 羽田空港・成田空港全面閉鎖」の画面。
倒壊した家屋の向こうでは火災も発生!!
館内は迫力満点なので、子供はちょっと怖がるかもしれません。
貸し出されたタブレットで、チェックポイントのクイズを解きながら進みます。
家具を固定していないと、ご覧のような有様で、たんすや本棚に挟まれて身動きが取れなくなりますが、
きちんと家具を肯定していると、このくらいの被害で済みます。これなら周辺に火災の危険、津波の危険が無ければ、在宅避難ができますね!
家具はしっかりと固定して、倒れてこないようにしましょう!!!!
揺れで死ぬことはありません!(ショックによる心臓発作で亡くなられる方が少数いるかもしれませんが)
地震で怖いのは、圧死です。また、家具などに長時間挟まれていた後、救助された方が、数時間後に腎不全や急性循環障害(ショック)を生じて死亡する病態「クラッシュシンドローム」も恐ろしいです。
押しつぶされて死なないように、助け出された後でクラッシュシンドロームで死なないように、家具は固定しましょう!
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家具転倒防止伸縮棒は安価です。本棚、食器棚、タンスは、これで倒れてこないように固定しましょう。
災害用トイレ。お腹が空いた、のどが渇いたは、一日くらい我慢できますが、排泄は我慢できません!
車のカバー、植木鉢、洗濯ばさみ、紐、物干しざおで作ったシェルター。
ちょっと頼りないですが、雨風を防ぐ急場しのぎにはなりそうですね。
東日本大震災時の、福島県いわき市内の避難所事例再現。
震災があった3月は気温も低く、温かく寝るのは厳しい環境であり、食事も満足な量をとれなかったそうです。
東日本大震災時の避難所での充電ブース。一人15分程度の充電。
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首都圏で被災すると充電ブースも凄い混雑になるので、ソーラーモバイルバッテリーなどがあると良いかもしれません。
もしも被災したら、罹災(りさい)証明書を発行してもらいましょう。災害義援金が申請出来たり、被災者生活再建支援制度を利用できるそうです。
「東京直下72hTOUR」を終えて、津波避難体験コーナーへ。
安心しないですぐに高台へ避難。川の近くでは、直角に避難。
次は二階の、防災学習ゾーンへ。
想定される19通りの首都直下型地震で、最も被害が大きくなるのが「都心南部直下地震」です。赤丸は世田谷区、目黒区、品川区、大田区あたりでしょうか。
一番危険性の高い都心南部直下地震では、死者数は2.3万人、火災で焼失する建物は61万棟に達すると推定。
「プレートが動いている限り、首都直下地震は必ず起きます」と書かれていました。
必ず起きるのですから、少なくとも、
- 家具は固定する
- 飲料と食料を備蓄する
- 緊急時の連絡先
は、しっかりと準備しておきましょう!
マグニチュードが1違うと、地震のエネルギーは32倍違うそうです。
東日本大震災はマグニチュード9.0。阪神淡路大震災はマグニチュード7.3でした。
地震が起こる前に10の備え。
- 家具類の転倒・落下防止をしておこう
- ケガの防止対策をしておこう
- 家屋や塀の強度を確認しておこう
- 消火のそなえをしておこう
- 火災発生の早期発見と防止対策をしておこう
- 非常用品を備えておこう
- みんなで話し合っておこう
- 地域の危険性を把握しておこう
- 防災知識を身につけておこう
- 防災行動力を高めておこう
従来の非常食は、ドロップスやカンパン、ビスケットなど、糖分の多いものやパサパサしたものが多かったのですが、ここ最近の非常食は美味しくて栄養バランスの良いものがたくさんあります。
【立川防災館】の記事でも書きましたが、普段から水や食料を多めに買っておき、古い方から順番に使っていくローリングストック法は、お金も安く済みますし、普段から食べなれている物を摂れるので良いと思います。
部屋の隅にアニメコーナー「東京マグニチュード8.0~東京直下72h~」。約20分の上映時間で、ヒステリックなお姉ちゃんと、崩れる東京タワーが印象的でした。
二階のオペレーションルーム。
窓から見学するだけで、中に入ることはできません。
緊急災害現地対策本部が設置される部屋なのですが、映画「シン・ゴジラ」で指令基地として使われました。
小さいですが、売店で防災グッズや非常食の取り扱いがありました。
「そなエリア東京」は入場料無料で、迫力のある防災体験ができるので、お時間のある方はぜひ訪れてください。
「あなたが生き残らないと、となりの人を助けられない。」
一人ひとりが助けられる側から、助ける側へ!
いつか来る地震に備えましょう!!
そして、どうか、大きな地震が、少しだけでも小さな地震で済みますように!!!
過去に訪れた防災館の記事も併せてご覧ください。
→→【立川防災館】 無料で震度7の地震や、煙体験ができます。オススメ備蓄方法・・・東京都立川市。無料で震度7体験、煙体験ができます。
→→【野島断層保存館 北淡震災記念公園】 阪神・淡路大震災で現れた地震断層のずれを保存しています・・・兵庫県淡路島。地震断層の実物を保存しています。
→→【野島断層保存館のメモリアルハウス】 震度7の地震に耐えた強い家。阪神淡路大震災被災者の教訓・・・兵庫県淡路島。阪神淡路大震災被災者が学んだことを書きました。
今日は、25年前の1997年に出版された「聖書の暗号 」という本を紹介しようと思います。 著者はマイクル・ドロズニンというアメリカの方で、ワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルの元記者。 ニュ[…]
(この見学記は2022年のものです)
交通アクセス
有明駅から徒歩2分。または国際展示場駅より徒歩4分。
車で行く場合、周辺の有料駐車場を利用。がん研有明病院の駐車場は利用できないのでご注意を。
料金
無料。
9名以下の個人で行く場合、予約不要。
開館時間は9:30~17:00(入場は16:30まで)。月曜日が休館日です。