劇団四季というと、大きな専用劇場でディズニーなど外国のミュージカル作品を上演しているイメージが大きいですが(私もこれらが好きで、ライオンキング、アイーダ、ウィキッド、美女と野獣、キャッツ、オペラ座の怪人、アナと雪の女王を劇場で見ました)、オリジナルミュージカルもとても良いので、紹介したいと思います。
我が家の劇団四季DVD。子供向けのものから、大人向けのものまで、10本。
私のお気に入りは、「夢から醒めた夢」なのですが、今日は写真の下三枚「昭和の歴史三部作」を紹介します。ここ数年、8月になると必ず鑑賞しているDVDです。
「昭和の歴史三部作」は、こちらの三本。
- 「ミュージカル 李香蘭」・・・日本人として生まれながら、中国の歌姫の「李香蘭(りこうらん)」として波乱万丈な人生を送った山口淑子さんの実話をもとにして作られたミュージカル。
- 「ミュージカル 異国の丘」・・・。戦後ソ連により60万人の日本人が極寒のシベリアに抑留され、6万人が命を落とした「シベリア抑留」の史実に基づいた話。元内閣総理大臣の近衛文麿さんの長男である近衛文隆さんをモデルにしている。
- 「ミュージカル 南十字星」・・・軍政下のインドネシアを舞台に、「BC級戦犯」として処刑台に消えた保科勲の話。史実に残された記録をもとに作られたミュージカル。
どれもオススメなのですが、夫婦共に涙が止まらなかったのは、「南十字星 」でした。
胸が苦しくて苦しくて、辛かった・・・。
劇団四季 昭和の歴史三部作 DVD-BOXにつけられた小冊子から、一部抜粋します。
私は戦争なら何でも反対というような、単純な反戦論者ではない。
私は戦争に正しいものと、そうでないものがあると言いたいのでもない。
あの悲劇を語り継ぐ責任が我々にはあると思う。
戦争で死んでいった圧倒的な数の兵たち、戦後無辠の罪に問われ死を迎えざるを得なかった軍人たち、一発の原子爆弾、一夜の無差別空襲で命を奪われた、数えきれぬ市民たちは、みな我々の兄姉、父母の世代である。今日我々を包み込む「平和」は、あの人たちの悲しみの果てにもたらされた。
(劇団四季創設メンバーで演出家の、浅利慶太さんの言葉。浅利さんは先月、お亡くなりになりました・・・)
この三部作のなかに生きているかつての日本人の各様の姿に、時代と戦うもの、時代を動かすもの、時代に屈服するもの、時代を傍観するものなどの真実が投影していると、私には思える。
そしてそこから、「あなたならどのような生き方をしたでしょうか」という制作側の問いが発せられていることに気づくのだ。その問いにどう答えるか、それが私たちの歴史観を形作っていくことに通じている。
63年に及ぶ昭和という時代を、私たちはこの国の貴重な遺産として語り継げるか否か、それが二十一世紀に入ってますます問われているのではないか。
(ノンフィクション作家 保阪正康さんの言葉)
どれもオススメです。
「あなたなら、どのような生き方をしたでしょうか?」
ぜひ、ご覧ください。