【露天神社(つゆのてんじんしゃ)】 通称「お初天神」。近松門左衛門の人形浄瑠璃「曽根崎心中(そねざきしんじゅう)物語」ゆかりの地

今日は、大阪市北区曽根崎にある露天神社(つゆのてんじんじゃ)を紹介します。

ここは通称「お初天神(おはつてんじん)」とも呼ばれ、近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の人形浄瑠璃「曽根崎心中(そねざきしんじゅう)」ゆかりの地です。

 参拝記

お初天神へ公共交通機関で行く場合、東梅田駅から徒歩3分、大阪駅から徒歩8分です。

車で行く場合、周辺の有料駐車場利用。

 

 

近くには「お初天神通り」があり、たくさんのお店がありました。

 

 

お初天神通りから境内に入る場合、お初天神ビルの間の細道を抜けます。

 

 

ボードに貼ってあった「子育て四訓」。

「肌を離すな」から始まり、「手を離すな」、「眼を離すな」、「心を離すな」。

もとはアメリカンインディアンの言葉だそうで、最後の「心を離すな」にグッときますね。

 

 

 

大通りから境内に入る時は、こちらの鳥居をくぐります。

 

 

本殿。

ご祭神は、大己貴大神、少彦名大神、天照皇大神、豊受姫大神、菅原道真。

 

 

社伝によると創建は850年頃で、住吉住地曽祢神をまつると伝えられています。

もともとこの地は曽根洲と呼ばれた孤島にあり、曽根洲、後の曽根崎の地名はこの御神名から来ているようです。

平安期は、渡辺氏一族をはじめ移植の民が増え、曽根崎村へと発展し、産土神「曽根崎天神」として崇敬されました。

901年に菅原道真(すがわらみちざね)が左遷配流の途中、ここを通り、歌を詠んだそうです。

 

 

露天神社は通称「お初天神」とも呼ばれ、近松門左衛門の人形浄瑠璃「曽根崎心中」ゆかりの地です。

 

 

元禄16年(江戸時代)、4月7日、堂島新地天満屋抱えの「お初」と、内元町醤油屋平野屋の手代「徳兵衛」が、露天神社の「天神の森」で情死する事件があり、戯曲作家の近松門左衛門が「曽根崎心中(そねざきしんじゅう)」として劇にしました。

以降、上演の度、男女身分の差なく数多くの人が露天神社に参詣慰霊に訪れ「お初天神」とも言われるようになったそうです。

 

 

曽根崎心中物語をざっくり説明。

徳兵衛(とくべえ)は叔父の家で真面目に丁稚奉公してきたことから、叔父に気に入られ、「娘と結婚させて、店を持たせよう」との話が出ていました。

しかし徳兵衛は「お初がいるから」と断ります。(お初は遊女)

しかし叔父は、徳兵衛が知らないうちに、徳兵衛の継母に結納まで済ませてしまいます。

娘と結婚させたいのに、それを断る徳兵衛に叔父は怒り、商売をさせない、大阪から出ていけ、つけ払いで買った服の代金を七日以内に返せと要求。

徳兵衛は継母から結納金を取り返し、叔父に返金しようとしましたが、「どうしても金が要る」と頼ってきた友人の九平次に「三日だけ」との約束で証文を作り、お金を貸しました。

しかし、九平次は「借金など知らぬ」と徳兵衛を詐欺師呼ばわりし、さんざんに殴りつけたため、裏切られて絶望した徳兵衛は「死んで身の証を立てるよりほかに身の潔白を証明する手段はない」と、死ぬ覚悟を決め、事情を知ったお初と共に露天神社の森へ。

お互いを連理の松の木に縛り、徳兵衛は脇差でお初を殺し、自らの命も経つ。

・・・というお話です。

 

 

個人の自由が尊重される現代に生きる私からすると、

「何も死ななくても・・・。死人に口なしにならないように、生きて、身の潔白を証明した方が良いのでは」

「お初殺しと自分殺しの、ダブル殺人で、徳兵衛は大きなカルマを背負った。死なずに済む方法はなかったのか」

と思ってしまいますが・・・。

 

 

 こうした心中ものの流行の結果、来世で二人の愛が結ばれることを誓った心中事件が多発したため、江戸幕府は享保8年(1723年)より上演や脚本の執筆や発行を禁止すると共に、心中者の一方が生存した場合は極刑を申し渡し、双方生存の場合は晒し者にしたのち市民権を奪い、心中死した遺体は親族に下げ渡さず一切の葬儀を禁ずるなど心中事件に対して苛烈な処置を行ったが、その後も江戸四大飢饉や天明の打ちこわしといった事件により、民衆での心中は流行していた。

(ウィキペディア 曽根崎心中より抜粋)

江戸幕府も対処に困っていたようですね・・・。

 

 

縁結びの絵馬がたくさん。

 

 

やっぱりね、「生きてこそ」ですよ!

命は大事にしましょう!

 

 

 

手水一式を奉納した、三代目 中村 鴈治郎(なかむら がんじろう)は、歌舞伎役者の「坂田 藤十郎(さかた とうじゅうろう」さんです。(妻が扇千景さんで、妹は中村珠緒さん)

曽根崎心中は人形浄瑠璃だけではなく歌舞伎でも上演され、お初役は坂田藤十郎さんの当たり役だったそうです。

 

 

「神牛さん」「撫で牛さん」とも呼ばれ、身体の病むところと神牛さんの体を交互に撫で摩る信仰があるそうです。

 

 

 

顔出しパネルが二枚ありました。

 

 

徳兵衛とお初は「来世で結ばれる」ことを願い、命を絶つという結果になりましたが、もしも周囲の理解が得られず結ばれない方がいたら、自分の命も相手の命も絶つことなく、「現世での恋愛成就」を目指してください!

 

何事も、命あっての物種ですから!!!

たくましく、生き抜きましょう!

 

 

次は、NHK大阪放送局 BKプラザを紹介します。

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(この参拝記は2019年です)

 

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交通アクセス

お初天神へ公共交通機関で行く場合、東梅田駅から徒歩3分、大阪駅から徒歩8分です。

車で行く場合、周辺の有料駐車場利用。

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