7月2日に、埼玉県の小松沢レジャーランドで捕獲した三匹のカブトムシ。
オスのカブートーと、メスのカブ子とカブ美。
カブートーは8月10日、カブ子は8月24日に死んでしまいました。
そして、たった一匹残ったカブ美。
一匹で寂しくないのかなぁ、それとも案外快適なのかなぁ・・・とお世話を続け、昨日で飼育二ヶ月を過ぎました。
今朝のカブ美。
だんだん餌を食べる量も減ってきて、動きも鈍く・・・。
今日、一週間ぶりに手のひらに乗せたのですが、「あれ?」と思いました。
なんだか、前足が短くなったような・・・。
手のひらに爪も引っかからないし・・・。
ひょっとして、両前足の爪がとれちゃったのかな?
もうすぐ、お別れになっちゃうのかな・・・。
あと何日一緒に過ごせるのかな・・・。
寂しさがこみ上げましたが、手のひらの一匹の虫を、とてもとても、愛おしく思ったのでした。
エサ箱を退けると、幼虫が5匹くらい見えました。
もうすぐママがいなくなっちゃうかもしれないけれど、ベビー達、大きく育てよ~。
話は変わりますが、昨日(金曜日)、息子の担任から電話がかかってきました。
先生「担任の○○ですけれども、○○くん、帰ってますか?」
私「いえ、まだです」
先生「あらー、どこにいっちゃったのかしら・・・。ランドセルは置いてあるんですけど、下駄箱にはもう靴がなかったんです。だから、ランドセルを置いたまま帰っちゃったのかと・・・」
私「え!?」
いったいなにが起こったのかと驚き、すぐに息子を探してランドセルを取りにいくと言い、電話を切りました。
娘を抱っこして出かける準備をしていると、また担任の先生から電話がかかってきて、
先生「○○くん、いました。昨日、授業で捕まえたミンミンゼミのエサの樹液を、一生懸命石で削って、セミに吸わせてあげようとしていました」
あー! と思いました。
朝から「ミンミンゼミの餌の樹液がなかなか手に入らないんだよ~」と言っていたなぁ、と。
ちなみにセミは樹液を吸いません。樹の汁を吸います。
ミンミンゼミは朝生きていたそうですが、下校時間が近づくにつれ元気がなくなったので、息子は「これはマズイ」と思ったのか校庭の樹の樹液を削っていたのでした。
セミは結局死んでしまい、息子は泣きながら埋めてあげたそうです。
目を赤く充血させて帰ってきた息子を見て、良い経験をしたなぁ・・・と思いました。
「命」
なんて、愛おしい。
あんなに小さな、はかない、虫一匹が、私達に気づかせてくれる「それぞれがもつ命」の重み。
限りある命を慈しむことの大切さ。
自然は「生まれたものは必ず死ぬんだ」という、生命のサイクルを教えてくれます。
息子はまだ幼いので意識しないでしょうが、大人になるにつれて「自分の命にも終わりがくるのだ」、と自覚した時、
「なんとなく過ごす」
から、
「限りあるからこそ、毎日大切に過ごそう。夢をかなえよう。反省はするけど、後悔はできるだけしないようにしよう。悪いことよりも、良い事を重ねよう」
と、自然と思えてくるものです。
この夏、息子も、私も、小さな小さな虫たちから、有限の命の大切さ、愛おしさを学ばせてもらったのでした。
虫達、ありがとう。
ちなみに私は他のママさんたちから、
「よく虫なんて触れるね!スゴイ」
と言われるのですが、子供が生まれるまでは虫が嫌いでギャーギャー騒いでました。
そんな私の虫嫌いを克服してくれたのは、虫の図鑑でした。
以前なにかのTVで見たのですが、パイを一枚用意し、「一種類につき1口ずつパイを食べられる」とした場合(たとえば犬なら、秋田犬に一口、プードルに一口、パグに一口あげる)、パイの8割を虫が食べることになるそうです。
虫はそれほど、圧倒的に種類が多いんですね。
「気持ち悪いから殺虫剤をまいて地球上から消し去る」
とか、過激なコメントを某掲示板で見かけますが、これは植物、鳥、魚、動物、そして人間に困ったことになります。
昆虫は、昆虫同士食べあうだけではなく、菌類のすみかであったり、花粉を媒介して植物の種子を残すことに貢献したり、魚、鳥、動物の食料にもなっています。
多摩動物公園の展示パネルですが、カブトムシはさなぎになるまで、一万個もの糞をします。それだけたくさんの落ち葉や枯れ木を土に戻す働きをしてくれているのです。
もちろん、虫は人間にとって有益なことばかりではなく、病原菌の媒介や、作物への被害などありますが、地球の生態系への役割を思うと、無くてはならない大切な存在なんですね。
そこで、虫嫌いな方、ぜひお子さんと一緒に虫の図鑑を読んでびっくりしてください。
小さな虫たちの世界に、驚かされます!
「知る」ことで「愛しく思える」こともあるんだなぁ・・・。
それは虫に限らず、あらゆる存在、物質に対しても言えることだなぁ・・・。
と、思ったのでした。
今日も、森ではミンミンゼミが元気に
ミーンミンミンミィィィン
と鳴いていますが、卵からかえり、土の中で樹の根っこの汁を吸い、6年くらい経ってやっと外に出てきて、ミンミン鳴くのです。
子孫を残すためだけに、大人になり、一週間くらいで死んでしまうのです。
ああ、セミ・・・。
今日も命を、燃やしてるんだなぁ・・・。
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